心理学を取り入れてビジネスを広げる『リーダーのための経営心理学 ―人を動かし導く50の心の性質』

リーダーのための経営心理学

  • 著者:藤田 耕司
  • 出版社:日本経済新聞出版社
  • 発売日:2016/6/25

 

「心理学」というのはそれだけでもおもしろい分野です。原書は難しいけれど、簡単に解説したユングやフロイトの本を読んだことがある人も多いでしょう。
そんな心理学は、現在多くの分野で応用されています。たとえばマーケティングの分野では「消費者心理」を研究し、いつどこで何が売れるのかが研究されています。

人を動かすために心理学を応用する

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経営の分野でも、もちろん心理学は取り入れられています。ビジネスは人と人とのかかわりであるためです。相手が何を求めているのか、自分は相手にどうしてほしいのか。お互いの心中を察することが、ビジネスの成功につながります。

著者は「ビジネスの成功者は心の専門家」といいます。その言葉だけ読むと、相手の気持ちを利用するような、悪いイメージを少々抱いてしまいますが、決してそうではありません。そこにはあくまで商習慣にコミュニケーションの基本を取り入れようという、純粋な心意気があるのみです。
これから数年もすれば、AIが人間の半数近くの仕事を奪うというデータもある中で、いかにいま人間同士のビジネス、コミュニケーションがたいせつであるかということにも気づかされます。経営心理学とは、人間の生き残りをかけた、ビジネスの意地なのかもしれません。

人を動かす要素と人間が求めるもの

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本書では、人を動かす要素として、次の4つが挙げられています。
●「何を伝えるか」と「誰が伝えるか」
● 人間の頭には感情の脳と論理の脳が共存する
●感情を動かす対話、合理性を示す対話
●人間性が信頼できる人、能力が信頼できる人

また、人間の本能的な欲求として以下を挙げています。

●「認められたい」という欲求
●「成長したい」という欲求

これらは、たとえばマズローなどの心理学者による説のビジネスへの応用なので、もともとは難しく、原典では理解ができないかもしれません。けれども、本書では、体系図をふんだんに用い、ビジネスに偏らない心理学の説明もしてくれるので、興味を持って読み進めることができます。また、節ごとにまとめもしてくれるため、少しずつ理解することができることもポイントです。

本書を手に取る時、多くの人はビジネス上の対人関係に悩んでおり、この1冊で解決しようとしているかもしれません。ただし、筆者はあとがきの最初に「人の心の理解、これは1冊の本で話しきれるようなものではありません」と記しています。ただ一助になりたいのだといいます。けれど、それはがっかりするようなことではないのです。あなたのこころを知りたい相手が、たった1冊の本を読んで、あなたのことを操ろうとしたら、きっと不快に感じるでしょう。心理学とは、人の心とは簡単ではありません。これをきっかけに、少しずつ進んでいくべきなのです。

本書の終章で説明されることは「知識に感情が伴ってはじめて学びとなる」「自分を変化させ、相手との関係性を変える」の2点です。これは日々の学びに置いて大変重要なこと。これらを念頭に置いて人と接することで、きっとかわってくることがあるでしょう。

リーダーのための経営心理学

  • 著者:藤田 耕司
  • 出版社:日本経済新聞出版社
  • 発売日:2016/6/25

モデルプロフィール

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  • 名前:須藤菜々子
  • 生年月日:1996/1/30
  • 出身地:京都府
  • 職業:法政大学
  • 趣味:カメラ
  • 最近の悩み:滑舌が悪い

(カメラマン:伊藤広将)

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