小説家が音楽について語るとき 『小澤征爾さんと、音楽について話をする』

小澤征爾さんと、音楽について話をする

  • 著者:小澤 征爾,村上 春樹
  • 出版社:新潮社
  • 発売日:2014/6/27

 

世界的なマエストロが、世界的な小説家と音楽について語る。
こんなに珍しいことが、起こるだろうか?

ノーベル賞候補にもなる小説家と世界的なマエストロの夢の対談。
このきっかけになったのは、小澤征爾さんと娘さんと村上春樹さんの夫人がたまたま知り合いになったからだと言う。
その関係で父親の小澤征爾さんとも時々顔を合わせる関係になったのだとか。

村上春樹さんは大の音楽好きで有名だ。
小説家になる前には、ジャズ喫茶を経営していたほど。
クラシックもジャズも正気の沙汰を超えるほど、音楽について知っている。

世界的なマエストロと、世界的な小説家。この夢の対談を一度はご覧ください。

小沢征爾と村上春樹の音楽

ikegami1

こんなことを僕の口から言い出すのはいささかおこがましくもあり、また気も引けるのだが、あえて言わせていただけるなら、何度か対談を重ねているうちに、僕と小澤征爾さんとのあいだには、いくつかの共通点みたいなものがあるのではないかと感じるようになった。

このように語る村上春樹さん。
才能の質量とか、有名の度合いとか関係なく、一人の人間として小澤征爾さんと「生き方の傾向として共感を抱ける」部分があったという。

まず一つに、音楽と小説という領域の違えはあれ、お互いに仕事をすることに
どこまでも純粋な喜びを感じているらしいとうことだ。
自分の仕事に没頭している時が、何よりも幸福であり、それに熱中できるという事実が、何に増しても深い満足を与えてくれている。

二つめに、今でも若い頃と同じく、ハングリーな精神を持ち続けていることだ。
これくらいでは足らない、もっと奥まで追求したい。
仕事をする上で、また生きる上で重要なモチーフになっている。

三つめは、頑固なところ。
辛抱強く、自分がやろうと思ったことは、誰が何を言おうと、自分が思い描くようにしかやらない。

村会春樹さんは、この三点について、ここまで共感できる人と会ったことはないという。

ものを創造する人はエゴイスティックにならざるを得ないというのは、紛れもない事実だ。
しかし、21世紀の現代で「私は芸術家なのだから」とエゴイスティックな生活だけを送ることは、なかなか簡単ではない。
創造を職業とする人は、自分と自分を取り巻く環境との妥協点を設定している。
村上春樹さんは、小澤征爾さんと、この具体的な妥協点の向いている方向性がとても似ているのではないかと。

自分みたいな素人には、なかなか共感が難しい部分があるのだが、天才肌の二人にはわかる領域というものがあるのだろう。

いい音楽を聴けば、文章もよくなる

ikegami2

僕は文章の書き方を音楽から学んだ。

そう語る村上春樹さん。
文章を書く上で最も大切なことは、リズムなのだとか。
耳がよくないと、いい文章も書けない。

言葉や句読点の組み合わせ、全体のバランス感覚。言葉一つ一つにもリズムがあり、音楽がある。自分の中にしっかりとしたリズムが出来ていないと、
良い物書きになるのは難しいのだと。
村上春樹さんの場合、ジャズを即興で作っていく要領で文書を書いていくのだ。

小説を書いていて、そこにリズムがないと次の文章も出てこない。
すると物語も前に進まない。
読み手にとって、文章にリズムがあるのが大切なように、
書き手にも文章のリズムを生み出すことが大切なのだ。

優れた物書きはみな、良い音楽を聴いている。

音楽が自然とからだに染み込んでくる

ikegami3

小澤征爾さんは音楽を作るべくして生まれてきたような人だ。
食道癌の手術で体力が奪われた時も、医者にどう言われようが、
音楽を作らなければならなかった。
周りに勧められたからではない。自分の意思で。

この人は音楽を、それをやらないわけにはいかないのだ。
村上春樹さんは、この対談でひしひしとそのことを感じたという。

小澤征爾さんにとって音楽こそが、人生を歩み続けるための不可欠な燃料なのだから。

この二人の対談は、一種の天才同士の対談になっているかもしれない。
しかし、この対談は
私たちの音楽……
誰もが体内に持っているリズムに一瞬でも灯火を与えるはず。

こんなお悩みを解決!

① いい文章が書けない
文章を書くにはリズムが大切。良い物書きになるためには、良い音楽を聴かなければならない。

② 音楽を作りたい
とにかく良い音楽を聴くこと。優秀な芸術家の音楽を聴くことで、
ジャンルを問わず、良い影響を受けるはず。

小澤征爾さんと、音楽について話をする

  • 著者:小澤 征爾,村上 春樹
  • 出版社:新潮社
  • 発売日:2014/6/27

モデルプロフィール

ikegami_profile
  • 名前:池上桃音
  • 生年月日:1994/9/29
  • 出身地:東京都
  • 職業:慶應義塾大学法学部法律学科
  • 趣味:歌をうたうこと、映画鑑賞、読書
  • 最近の悩み:卒業までやりたい事がたくさんありすぎること
  • Instagram:@moneikegami

(カメラマン:伊藤広将)

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

本to美女選書