ミスチルはなぜ、多くの人に響くのか? 『Mr.Children Everything 天才・桜井和寿 終わりなき音の冒険』

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ミスターチルドレン エブリシング

  • 著者:山下 邦彦
  • 出版社:太田出版
  • 発売日:2000/7/10

 

なぜ、ミスチルの音楽は多くの人の心を掴むのか?

その答えは、ビートルズの使ったコードを取り入れながら、桜井和寿にしか歌えない自分たちだけのメロディーを歌ったからだ。

ビートルズが歌った不思議なコードとは何か?
多くの人が切なさを感じ、涙を誘うコード。
それを矢沢永吉は「転調コード」と名付けたという。

この不思議なコードを使うと人は不思議と涙を流すという。
時には涙が止まらない。

そのメロディーは音楽理論では間違いとされている音を核に持っている。
そして、桜井和寿の胸には、このメロディーがいつもいつも流れている。

昔から街中を歩いているとミスチルの音楽がよく聞こえてきます。
日本人ならほぼ間違いなくミスチルの音楽を聞いたことがある人が圧倒的に多いはずです。

なぜ、彼らの音楽は人々を魅了するのか?
なぜ、デビューして20年以上経つのに、街中で彼らの曲が流れるのか?

その答えは転調にあると著者は言う。
桜井和寿だけが奏でられる彼の傷のあるメロディーが、人々の涙の探すのだと。
この本は音楽理論的にとても深く難解ではあるが、ミスチルファンには読み応えのある一冊だ。

転調コード

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ほぼすべてのヒット曲には、絶妙な曲調の変化、転調が施されている。
この曲調が変わる瞬間に、人はクギ付けになるという。
なめらかなメロディーほど、絶妙な転調が眠っているのだ。

この転調の使い方が桜井和寿は天才的だという。
彼はAマイナーコードが好きだと言われているが、そこからの転調が絶妙にうまい。

転調という名のねじれ間。
このキュイ〜んとねじれている部分の音色が、せつなく、多くの人の涙を誘う。
桜井和寿の中には、この転調のリズムが体の中に染み込まれているという。

ミスチルの音楽はどうしてせつないのか?

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「せつない」っていう感情があっても、そのせつないという感情はどういうことなのか? たぶん、考えているのは脳の部分だと思うけど、その脳で考えているスピードがあまりにも速かったりした時に涙に変わったりとか、「なんとなくせつない」という風になっちゃうのだと思う。

よく桜井和寿はインタビューで「せつなさ」について答えている。
「せつない」音楽が好きだから、自然と「せつない」音楽を作ってしまうのだと。

そして「泣き」と「せつない」の関係には何かあるのだろうか?
「泣き」というのは、人間の持っている感情の中でも、かなり強く、エネルギーを使う。桜井和寿の発言「脳で考える計算スピードがあまりにも速かったりした時に涙に変わったり」というのがあったが、「涙」と「泣き」の関係はそのまま繋がらない場合もあるかもしれない。

音楽で人を泣かせたり、せつなくさせたり、といった定番テクニックは、たしかに存在する。しかし、理屈だけでは、これほどまで多くの人に共感される「せつなさ」は生まれてこない。

理屈を超えた深い部分まで潜り込んで、メロディーをつかんでいるのだと思う。

私が、これほどにまで桜井和寿の音楽に興味を持ったわけは、バッハの音色の数学的構造を知ったからだった。バッハが生み出した音楽の転調を立体的に表現してみると、メビウスの輪になっていたのだ。つまり、コード進行が真裏に転調して、一周して元に戻ってくる。数学的に見ても奇跡的な音色だという。

桜井和寿が生み出す転調もそれに近いものがあるのかもしれない。
音楽を深く知れば知るほど、奥深くて面白い。
ぜひ、一読してもらいたい本だ。

こんなお悩みを解決!

  • 音楽に興味があるけど、何の本を読んでいいかわからない
    →ひとまず、日本を代表するミスチルについて書かれたこの著書を読んでみては。音楽的にも奥深いところまで考察されていて興味深い。

ミスターチルドレン エブリシング

  • 著者:山下 邦彦
  • 出版社:太田出版
  • 発売日:2000/7/10

モデルプロフィール

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  • 名前:Reina
  • 出身地:埼玉県
  • 職業:受付
  • 趣味・一言:アロマの勉強中です♡
  • 最近の悩み:突然辛いものが食べたくなる
  • Instagram:@wataame.pink

(カメラマン:伊藤広将)

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WRITERこの記事を書いた人

kikuchan

6月9日(ロックな日)生まれ。 映像制作会社勤務。TSUTAYAから年賀状が届くほどの映画マニア。年間350本の映画鑑賞。 「映画ばかり見てないで、勉強しなさい」と言われて育つ。 学生時代は映画の新人賞受賞。文学だけでなく、あらゆる本を読むようにしてます。 好きな本:『竜馬がゆく』『スティーブ・ジョブズ』 趣味:座禅