非常に中毒性がある本です。旅人のバイブル『深夜特急』

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深夜特急〈1〉香港・マカオ

  • 著者:沢木耕太郎
  • 出版社:新潮社
  • 発売日:1994/3/30

 

ミッドナイトエクスプレス……深夜特急とは、トルコの刑務所に入れられた外国人受刑者たちの間の隠語である。脱獄することを「ミッドナイトエクスプレスに乗る」と言ったのだ。

今もなおバックパッカーたちのバイブルとなっている本「深夜特急」。
26歳の時に、すべてを投げ捨ててユーラシア大陸横断の旅に出た筆者。
途中、マカオのカジノで危うく全財産を失いかけたり、インドで高熱にうなされたり、
多くの災難に見舞われながらも、遠く海の向こうのロンドンを目指していく。

デリーからロンドンまでバスで行くことは出来るのか?

日本を出発する前に、ふと友人に話したことがきっかけで、筆者はバスによるユーラシア大陸横断の旅に出かける。理由は何でもなかった。ただ、旅に出たかったのかもしれない。

昔、トルコの刑務所を舞台にした映画「ミッドナイトエクスプレス」があったが、
その映画の中では捕まったアメリカ人は不法な拘留から、最後の望みをかけて脱獄に励んでいた。

では本書「深夜特急」では筆者は何から脱獄したかったのか?
ただ、自由になりたかったのか?
筆者がユーラシア大陸を横断して、最後の終点にたどり着いたとき見た光景とは何か?

繰り返すようだが、この本は非常に中毒性がある本である。
もし学生の時に読んでいたら、学校を中退してまでも放浪の旅に出ていたかもしれない。
とにかく旅に出たくなる本なのだ。

ユーラシア大陸を乗合バスで

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アパートの部屋を整理し、机の引き出しに転がっている一円硬貨までかき集め、千五百ドルのトラベラーズチェックと四百ドルの現金を作ると、私は仕事のすべてを放擲して旅に出た。

この本では、筆者が旅に出た理由が明確に記されていない。
それでも、ユーラシア大陸を陸路で行こうと思ったのは、僅かながら理由があった。
この地球の大きさを知覚するための手がかりのようなものを得たいと思っていたのだ。

旅の道中で多くの出会いと別れを経験し、中盤に向かうにつれ、筆者の内面も徐々に変化してくる。
全六巻のうち、中盤くらいから旅も成熟し、いかに旅を終えるのかに焦点が移ってくる。
何カ月にもおよぶ旅をしていると人間は、取り戻すことができない何かを失ってしまうらしい。

実際、一年以上世界を放浪していたバックパッカーの多くが、帰国しても生活になじむことができず、再び放浪の旅に出る人が多いという。
旅人にとって、安定した自国の生活は苦痛でしかないのだ。

筆者はインドのデリーに滞在していた時、安宿に泊まる世界中の旅人を見てきた。
何カ月も、とくにやることがなく一日中ベットに座り、ときにはハシシ(大麻)を吸って過ごしていく。行くとこまで行くと、心が旅に取りつかれ、もとに戻れなくなってしまうのかもしれない。そう感じた筆者は、意を決し安宿を後にする。

シルクロードを歩くうちに、いかに旅を終えるのかを考えるようになる筆者。
本書は旅人がいかにして旅を終えるのかを書いた本でもある。

旅に適した年齢は26歳

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早すぎず、遅すぎず、人生を変える旅に適したのは26歳。
あまり早くに外国に行く必要はないと筆者は語っている。

26歳ぐらいだと、世間に対する心構えや判断力がついて、いろんなことにリアクションが取れるようになる。あまりに若すぎると、刺激が多すぎて、旅に出ても面白かったという感想だけで終わってしまう。
社会に出て、何がつまらないかを知ったり、女の子のことで苦労したりするプロセスが必要だという。10代で旅に出ると、これらのプロセスを一気にやらなければならなくなる。

社会を知って物事を冷静に判断できる年齢になってからの方が、いい旅ができる。
さらに、26歳というのは最後の自由のいい境目にもなっているという。
30歳を過ぎてから放浪の旅に出たら社会的にも後戻りができなくなってしまう。
26歳が最後の自由の境目である。

人間、誰しもが一世一代の旅があるらしい。
旅に出た長さや距離の問題ではない。いくら長い間旅に出ても、ただの旅にすぎないことはよくあるからだ。
筆者が思う旅は、取り返しのつかない旅だ。
良くも悪くも取り返しがつかない。いくところまで行って取り返しのつかない旅。
深夜特急の旅は、そんな取り返しのつかない旅だったと筆者は語る。

26歳という旅の適齢期に取り返しのつかない旅をするのもいいかもしれない。
実際にすべての仕事を捨ててまで、旅に出るかはあなた次第だが……

「人生を変える旅に出たい!」

  1. 旅に適するのは26歳。社会の仕組みを知り、物事を冷静に判断できるようになった年頃に旅に出る。
  2. 誰しもが一世一代の旅を経験する。ある程度、社会の仕組みを理解してから、取り返しのつかない旅にでる決心も必要。
  3. 旅に出る前に、深夜特急などの中毒性のある旅行記を読む。きっとあなたも旅に出たくなるはず。

深夜特急〈1〉香港・マカオ

  • 著者:沢木耕太郎
  • 出版社:新潮社
  • 発売日:1994/3/30

モデルプロフィール

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  • 名前:長谷川梨紗
  • 生年月日:1995/09/01
  • 出身地:東京都
  • 職業:タレント
  • 出演歴:さんまのスーパーからくりTVレギュラー、TBS アリよりのアリ、イオンサランラップCM、都民銀行CM、TGC公式マガジン等
  • 趣味:麻雀、料理、旅行(オランダに最近行きました)
  • 最近の悩み:糖質制限中です(笑)
  • Twitter:@haserisaaa

(カメラマン・Rimi Sakamoto/個人サイト・http://www.rimisakamoto.net/

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