松本人志の愛ある毒『遺書』

遺書

  • 著者:松本 人志
  • 出版社:朝日新聞社
  • 発売日:1994/9

本書を一言で

松本人志の言葉はただの毒にあらず。

「芸人の本」特集最後の本は松本人志『遺書』。
この本の売れ行きたるや凄まじいもので、初版の1994年からずっと重版がかかっているミリオンヒット作だ。習慣朝日に掲載されていたエッセイが書籍化したのが本書のルーツである。

1994年のダウンタウンといえば、最も尖っていたのではないだろうか。紳助さんにも「ダウンタウンは怪物や」と言われ、人気も絶頂の頃。
その時代の松本の思想が詰まった本だ。

お笑い芸人としてのプロ意識

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松本人志のプロ意識は高いというレベルではない。
本書のタイトルが遺書というのも、己の矜持は忘れてはいけないという意味合いも含まれているだろう。もちろん、現在の松本と考えが100%同じではない。しかし、お笑い芸人とは何か?とまっすぐに向き合っているのは変わらない。

印象的な章は、テレビデビューの際、横山やすし師匠に「チンピラの立ち話や。お前らのは漫才と違う」と言われたときの話。

家族を消し飛んだらいいというネタで、漫才をしたダウンタウン(旧名:ライト兄弟)だが、話すネタが不謹慎だと指摘された。しかし、松本はこう反論する。

間が悪い、テンポがどうした……関係ない。笑えるか笑えないかがいちばん大事なことであり、テクニックは後からついてくるものである。

型は関係ない。笑いが取れたらいいのだ。
そういう自由な思想は、今のM-1グランプリ審査員にふさわしいものであると誰も疑わない。

今も変わらぬ松本人志

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本書は他にも「俺はこう思う」と鋭利なナイフのごとく様々な事柄にメスを入れていく。最も尖っていた時代の松本人志の思想はやはり危険だ。

平気でお茶の間をアホと言うし、師匠方も間抜けと罵る。今じゃ絶対にできない言動だ。

しかし、松本は今も変わらず「俺はこう思う」と堂々と喋れる人であることは間違いない。
この前も、脳科学者茂木健一郎が「日本のお笑いは遅れている」とのコメントに、松本は「つまらないあなたに言われても何も障らない」とコメントしていてネットニュースにも取り上げられていた。

違うと思ったことを素直に言うって、実は難しいことだったのかもしれない。まだまだこの人からは学ぶことが多いな、と感心させられた一冊であった。

遺書

  • 著者:松本 人志
  • 出版社:朝日新聞社
  • 発売日:1994/9

モデルプロフィール

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  • 名前:吉田夢
  • 生年月日:1995/10/18
  • 出身地:北海道
  • 職業:OL
  • 趣味・一言:スノーボード
  • 最近の悩み:お菓子をめっちゃ食べすぎること
  • Insta:@yu_me18
  • Twitter:@yu_me1018
(カメラマン:伊藤広将)

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Myコーデ

WRITERこの記事を書いた人

小幡 道啓

累計2億円以上の借金王の元に生まれ、怒号と罵声が飛び交う家庭で育ったアウトローだが、底ぬけにポジティブ。飲み会でも「父親が行方不明です」と不謹慎なネタを言ってはスベっている。Amazon Kindle販売員時代には年間NO.1売上を達成。現在は、「逆境でのユーモア」をモットーに本to美女編集部編集長。