傑作といわれたボリビア文学の奇跡『百年の孤独』

百年の孤独

  • 著者:ガブリエル ガルシア=マルケス
  • 出版社:新潮社
  • 発売日:2006/12

孤独こそ不治の病と誰かが言っていた気がする。孤独を慰めようと誰かと時間を過ごすが、またさらなる孤独が襲う不思議は何とも言えない。本書はラテンアメリカ文学の最高傑作であり、小説の理想形とされたガルシア・マルケス『百年の孤独』だ。ボリビア生まれの作家は終生、孤独と戦ってきた。しかし、私たちとて他人事ではない。

ブエンディア一族が開拓村を作っていくお話

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『百年の孤独』はざっくり言えば、ブエンディアという一族が開拓村を興し、繁栄し、衰退していく話だ。石と川しかない土地に「マコンド」という村を立ち上げた一族。後に、この村はちょっとづつ大きくなっていくのだが、読者はこの村に愛着を抱きながら読み進めていくことになる。
古典小説の醍醐味でもあるのだが、本書も例外なく分厚いし登場人物も多いし、一筋縄ではいかない物語が特徴的だ。

しかし、あまり身構えすぎると古典が泣いてしまう。
物語は、ウルスラという一族のゴッドマザー的な人物を中心に栄えていく。ウルスラが子を生み、またその子が産んでいくという100年間が描かれていく小説だ。ウルスラの存在は絶対的で、男たちが情けなく命を落とし続けてもウルスラは生き続ける。まるで、マコンドと一心同体かのように。

栄え、衰え、また栄えていく

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マコンドは徐々に大きくなっていき、ブエンディア一族の輪もすっかり大きくなった。それでも一族は共通の病を抱えている。
それは孤独だ。

どれだけ共同体が大きくなってもなぜか孤独は埋まらない。
本書が書かれたのは1967年だが、まさか『百年の孤独』が50年後の日本で、それも大都市のど真ん中、一人のライター(筆者)の共感を揺さぶっているとは思わないだろう。

ブエンディア一族も栄えるには栄えるのだが、どうしても埋まらない幸福感をみな感じている。彼らはセックスをし、酒を飲み、近親相姦までするが一向に「幸福とは何か」の答えが決まらないのだ。

かつて、ラテンアメリカは陽気な国と言われていたが本当にそうなのか考えさせられる一冊だ。酒場に行けば陽気に歌を歌い、昼寝をする民族でも夜は孤独なのだと想像すると、人間の不治の病は「孤独」なのかと考えさせられる。

最後のラストシーンはよく文学史なんかで取り上げられるのでご存知かもしれない。ラストのその瞬間まで長ったらしくマコンドでの話が続くのだが、栄えた村もひゅっと姿を消す。読者も孤独をマコンドで癒していたはずなのに、村ごとまるでなかったかのように消えるのだ。

百年の孤独

  • 著者:ガブリエル ガルシア=マルケス
  • 出版社:新潮社
  • 発売日:2006/12

モデルプロフィール

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  • 名前:ゆか
  • 生年月日:1998.02.25
  • 出身地:千葉県
  • 職業:販売業
  • 趣味:ひとり旅
  • 最近の悩み:外が寒い
  • instagram:@yukachiii_

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WRITERこの記事を書いた人

小幡 道啓

累計2億円以上の借金王の元に生まれ、怒号と罵声が飛び交う家庭で育ったアウトローだが、底ぬけにポジティブ。飲み会でも「父親が行方不明です」と不謹慎なネタを言ってはスベっている。Amazon Kindle販売員時代には年間NO.1売上を達成。現在は、「逆境でのユーモア」をモットーに本to美女編集部編集長。