心に住み着く違和感の正体は?都市伝説に触れているような『暗黒寓話集』

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暗黒寓話集

  • 著者:島田 雅彦
  • 出版社:文藝春秋
  • 発売日:2014/11/28

自由な妄想世界へ

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自己啓発目的でなくても、本は人の心を動かし、実際に行動を起こさせるきっかけになります。綺麗な景色の写真集を見るだけで旅に出たくなるし、音楽雑誌のライヴレポートを読むだけでまたライヴ会場のあの雰囲気を味わいたくなります。

でも、せっかく気持ちは昂っているのに、外はあいにくの雨だし、お金もないし…。

こんな時に読んでいただきたいのが、本日ご紹介する『暗黒寓話集』。

併せて今回は、去年の梅雨時期に私がヘビロテしていたMUCCのアルバム『T.R.E.N.D.Y -Paradise from1997-』の中から『睡蓮』をBGMとしてご紹介させていただきます。ヘビーなサウンドが、ダークなこの1冊にピッタリ。聴かせる曲から踊れる曲、思いっきり頭を振り回せる曲など、まったく異なる7曲が読書空間を耳から彩ってくれます。それに、歌詞が本の内容ととってもリンクしているような気がします。

妄想は、どこだって、いつだって、誰だってできます。お金もかかりません。
現実世界をちょっと斜め上から見下ろすだけで、あなたの日常は普段感じているものとまったく別物としてその目に映るかもしれません。

それでいて妄想は、SFとはちょっと違う。全くの空想物語ではなくて、いつだって起こりうること、もしかしたら既にあなたの身に起きているかもしれないことを、この本は、実例に近いフィクションを用いて説明してくれます。

 ポップでシュールな8つの短編

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「寓話(ぐうわ)とは、比喩によって人間の生活に馴染みの深いできごとを見せ、それによって諭すことを意図した物語。」と、wikipedia先生はおっしゃっています。

現実なんだけどどこか現実離れしているような…
なんとも言い表すことができない違和感が始終一貫して読み手を苛ませます。

巻頭を飾るのは、ある一族の家系を追った「アイアン・ファミリー」。
未来を常に自分の手で切り開いてきたあなたでも、その運命は血筋によって生まれながらにして決められていたのかもしれない。そんなことを思わせる物語。

続いて、死後の世界の仕組みを描いた「死都東京」、名前を変えながらその呪いを隠して生き続ける土地の物語「夢眠谷の秘密」が、あなたの思考を支配します。

フィクションなのに、一切の矛盾がない。だから怖いし、安心する。

終盤に、南武線の歴史を語る「南武すたいる」という一編があります。
私は南武線ユーザーではありませんが、乗り換えでよく使っていた駅に南武線が通っていたためか、あの黄色いラインの列車にはやけに親しみがあります。

町は変わっても、南武線は変わらない。
利用する人が変わっても南武線だけは、今も昔も同じ一筋のレールを通っています。黄金期を迎えたわけではない南武線は、長い歴史にかかわらず未だ発展途上ともいえます。

「まだ本気を出していない南武線に対するエールは実は自分自身に向けられているのである。」

「南武線とは私のことにほかならない」と語り強い絆を勝手に見出している「私」が自分自身を鼓舞できるのは、南武線のおかげ。

こんな風にしてあなたも物語の主人公になれます。毎朝の地獄のような満員電車に対してだって何か思えるようになったら、あなたはもう立派な妄想の使い手。

生き方を変える、自分を変える、日常を変える準備は、誰にだってできるのです。

死は誰にとっても恐怖

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ところで、あなたは神様の存在を信じますか?

時々ミラクルがおこったり運命的な出来事があったりすると思わず「OH MY GOD!」と心の中で叫んでしまうこと、ありませんか?

神様の存在を考えるとき切っても切り離せないのが「死」。
万人に訪れ、経験者も日に日に増えていくのに、何故か、怖い。

私だって、死にたくありません。中二病を患っていた時は「3世紀くらい生きてやる!」と言い張っていました。(今ではすっかり黒歴史…)

生に執着する私たちは、克服できないこの謎の恐怖感に対して、一生怯え続けなければならないのでしょうか?

筆者は「はじめに」にて、こんなことを語っています。

「不愉快な現実を受け入れられずに悶々とするよりは、その現実をとっとと受け入れて、もっとひどい現実への心構えをするべきなのである。」

現実に対する解釈は人それぞれ。人の数だけ、世界は生まれます。
現実の受け入れ方は、すなわち、死の受け入れ方。

どのように死にたいかを考えることは、言い換えれば、どのように生きたいのかを考えることと同じです。

生き方と死に方、現実と非現実について妄想したい雨降りの日には、ぜひ『暗黒寓話集』を手元に置いてみてください。

こんなお悩みを解決!

*世の中に対して不満しかない
斜に構えてみましょう。一歩引いた視点から世間を俯瞰視すれば、新たに見えてくる楽しさがあるかもしれません。

*ワクワクしたい
身の回りには隠された秘密が眠っているかもしれません。それを解き明かすのがあなたの好奇心です。

*羽目を外したい
頭の中でなら何をしたって自由。誰にも咎める事なんてできません。アイディアを書き連ねて作家を気取るのもいいですね。

暗黒寓話集

  • 著者:島田 雅彦
  • 出版社:文藝春秋
  • 発売日:2014/11/28

モデルプロフィール

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名前:Arly
生年月日:1991/4/1
出身地:三重県
職業:モデル
受賞歴:ミス三重大、ミス伊勢志摩
趣味:カラオケ、カメラ、写真、お買い物
最近の悩み:蚊によく喰われる
Twitter:@ALICA9141
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Myコーデ

WRITERこの記事を書いた人

原 翔子

「いつか年齢確認をされてみたい」と願って、もう何年経ってしまったことでしょう…。ラルクとゴマちゃんをこよなく愛する自由人。髪の毛を染めたことがないけれど、hydeさんが黒髪でいる限りは別にいいかな。とか言いつつ、いざまた金髪にされても困る。…そんなどうでもいいことを考えながら気ままに生きています。