あなたにとってのバイブルは?『イリュージョン』

 「あなたにとって、バイブルのような一冊は?」と言われたら、どんな本を選びますか?私の場合は、『イリュージョン』がまさにその一冊。

 物語は、ジプシー飛行士のリチャードが、救世主を名乗る不思議な魅力を持つ男・ドンと出会うところから始まります。二人とも飛行機乗りで気が合いますが、リチャードは行く先々でドンの不思議な力を目の当たりにし、やがて自分も救世主について学んでいくことに。

イリュージョン

  • 著者:リチャード・バック/村上龍(翻訳)
  • 出版社:集英社
  • 発売日:1981/03

初めて読んだ時から年月が経ちますが、読む度に発見があり、定期的に読みたくなるような、ちょっと中毒性のある本でもあります。

どうしても言いたいことがある。自由が欲しい時は他人に頼んじゃいけないんだよ、君が自由だと思えばもう君は自由なんだ、リチャード、このことのどこが一体難しいんだ?

学習は、すでに知られていることを見つけ出すこと。

行為は、学習の証明。

教育とは、被教育者に、君らも教育者と同じ程度のことを知っているのだと気付かせること。

 

君たちは道論学習者であり実行者であり教育者であって、いかなる種類の生や死を選ぼうとも自由だが、義務というものがあるとすれば、自分に忠実でなければならないということそれ一つだけである。

文中のこういった一節にいつもハッとさせられ、背中を押してもらったように感じます。

リチャード・バックの前作『かもめのジョナサン』と同様、「救世主」という表現や、ドンのセリフの中から示唆するものなどから、スピリチュアルの元祖のように扱われる場合もあるようですが、もっと本質的なことを著者はこの本を通して伝えたかったのではないかと思います。

そして、村上龍氏の翻訳も素敵で、挿絵も味があります。そんなに時間をかけずに読めてしまう本なので、気になった方はぜひ、この不思議な世界をご堪能あれ!

イリュージョン

  • 著者:リチャード・バック/村上龍(翻訳)
  • 出版社:集英社
  • 発売日:1981/03

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