絶望的に「ぶす」な容姿で、誰よりも美しく生きる女の子『きりこについて』

このコーナーでは、本to美女の編集長が、オススメの本を紹介していきます。

きりこについて

  • 著者:西 加奈子
  • 出版社:角川書店
  • 発売日: 2011/10/25

『きりこについて』/西加奈子

 

きりこは「ぶす」な女の子である。もう、どうしたって誰がみても「ぶす」な女の子。でも彼女は、「親バカ」で容姿端麗な両親に囲まれて、「自分は可愛い」と信じ込んで生きてきた(きりこは、奇跡的に両親や祖父母の欠点だけを受け継いだのである)。しかし、純粋無垢なきりこにとって、人生の悪い転機は小学5年生の時。恋をした男の子に「ぶす」と一蹴され、初めて自分は「周囲の目」というものを意識し、愕然とする。これまでの明るいきりこは何処へやら。「引きこもり」になってしまった彼女を励まし続けたのが、人の言葉がわかる黒猫「ラムセス2世」である。きりこが小学生の時に体育館裏で拾ったその猫は、きりこに優しい眼差しを向け続けた。

素直に生きれば、必ず壁にぶつかる。自分は自分でしかないのだと思い知らされる日が来る。潔く認めてしまえばいいのだけど、案外、踏み切る勇気は持てないものだ。

私の求める美しさってなんだ?

知らず知らずのうちに周囲の目を気にする毎日を送ってしまっている人たちに、立ち止まる機会をくれる物語だ。

きりこについて

  • 著者:西 加奈子
  • 出版社:角川書店
  • 発売日: 2011/10/25

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WRITERこの記事を書いた人

湯川 うらら

本to美女編集長 湯川うらら 麗らかな春の日に生まれました。「一瞬一瞬を全力で」がモットーの、本to美女編集長/インタビュアー/キャトグラファー。著者の半生から学び、登場人物の人生を味わい尽くす……「本」は、人類と共に時代を紡いできました。週1回はブックカフェに通い、気になる本を味見するのが楽しみ。実用書から漫画まで、守備範囲は幅広い。色々な人の話を聞いて、人生を豊かにしたい、誰かを幸せにしたい。 猫の島へ単独潜入するほど、生粋の猫好きで、SNSはネコ写真でいっぱい。一年中もふもふしていたい。