「私は東大卒電通元社員と友人だった」 彼女のパーソナリティから読み解く自殺の理由

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死からは一番遠い存在

私は先ほど触れたが、大学の同期で友人だ。2016年の春ごろに、共通の友人から、「まつりちゃんが自殺したってよ」と聞いて、そんなことあるか、と一瞬何を友人が言っているのかわからなかった。

彼女は、少なくとも私から見る限り、死から最も遠く、キラキラ輝いている存在だったのだ。

彼女との出会いは、大学入学式前に大学主催で開催された、新入生歓迎のイベントだった。在校生が新入生に対して、大学生活のことを教えてくれる、みたいな会だった。新入生もいくつかのグループに分けられて、そのグループでキャンパスを回ったり、食事を食べたりした。そこにたまたまいたのが、まつりちゃんだ。初めて会った時の印象は、「東大生にもこんな派手な子がいるんだー」である。田舎から出てきた私からすると東大生に対するイメージが変わった瞬間でもある。

そして、共通の友人もでき、部活やサークルの新入生歓迎コンパ(通称新歓)などもどこが楽しいだろうと行けるだけ行ったのは良い思い出だ。

お酒が飲める年齢になってからは、よく共通の友人と飲み会をしてたりしていた。同性・異性に関わらず友達も多く、面白く明るく良い子。それがまつりちゃんだった。

彼女が自殺してしまった3つの理由

そんな彼女が、東大を卒業し、電通に入り、そして入社1年も経たないうちに自ら死を選んでしまった理由は何なのだろうか。

彼女は大学時代に海外留学をしているため、1年間卒業が遅れ、私が社会人になってたからは会っていなかったので、死の前の数年間の彼女の様子は知らない。Twitterでも繋がっていたものの、社会人になってたからTwitterをほとんど見ない私は、報道されていたTwitterでのツイートを知らなかった。

そんな私が憶測するのであるから、的外れである可能性も高いことは前もって断っておくが、彼女を知っている人間として書きたいと思う。

今回は、
「A.仕事が辛くなる・しんどくなり、会社を辞めたくなる→B.会社を辞められず、自殺を選ぶ」というプロセスで自殺に至ってしまった。それぞれのプロセスで何が起きていたのだろうか。

A. 仕事が辛くなる・しんどくなり、会社を辞めたくなる

まずは、最初のプロセスとして、やっている仕事が辛くなり、そして仕事を辞めたいという状態に陥ってしまった。その原因を、彼女のパーソナリティの側面から考えると、以下の2つの理由に収束するのではないか。

  • ①:断れない性格であった

彼女は誰からも好かれ、そして、断れない性格だった。
何か頼まれた時に、嫌でも、うん良いよと言っていたような気がする。

電通の上司・同僚に、仕事など様々なことを頼まれて、無理な時でも嫌な時でも、断れずに受け入れてしまったのではないか。 

  • ②:外面が良く、内面をさらけ出せなかった

そして、彼女は誰からも好かれているからこそ、誰かに嫌われることを極端に恐れていた。
外面が良く、内面をうまくさらけ出せなかったのだと思う。

断れずに溜め込んでしまった仕事たち。そしてそれをさらけ出せず、上司に・同僚に嫌われないように、仕事をこなすしかなかったのではないか。

こうして、彼女は電通にて、仕事が溢れ、辛いのに内面をSNS以外でさらけ出すことができず、追い込まれていったのではないかと推測する。

B. 会社を辞められず、自殺を選ぶ

そして、追い込まれ仕事を辞めたくなった後に、仕事を辞めるという選択肢を取らずに、死ぬという意思決定をしてしまった原因を探りたい。

  • ③:プライドが非常に高かった

彼女は、プライドが高かった。報道でも言われているが、母子家庭で、私が良い大学に行って、絶対良い会社に行って、お母さんを幸せにする、とよく言っていた。
「プライドが高い」は、彼女が、と言うよりは、東大生の多くに当てはまる性格だと思う。
小さい頃から、一番しか経験したことがなく、一番で当たり前だと思い込んでいる(実際そんなことないのだが)。

東大出身である私も非常にプライドが高いと周囲から言われるのだが、確かにプライドは高い。人から馬鹿にされる・笑われるのが最も嫌いである。

そんなプライドの高さが、東大を出て、電通に入ったのに、1年も満たないままで辞めたら負け組じゃないか、自分は大した人間じゃないと馬鹿にされるのではと思わせてしまったのではないか。

そんなことは全くないのだが、電通を辞めるくらいなら、死んだほうがましだと思わせてしまった。

だけど、やっぱり死んでしまったらどうしようもない。どんなにプライドが高くて、弱い(と自分で思ってしまう)自分が許せなくても。

死ぬという勇気があれば、何だってできるはずだ。
「どんなに辛いことがあっても、生きていたら良いことがある。」
そんなことを伝えたかった彼女はもう、私のSNSの友人リストの中にしかいない。

この記事を読んだ自殺志願者が1人でも自殺を留まり、生きるという意思決定をすることを願います。
後日続編として、「生きること」と「働くこと」について深堀した記事を書きたいと思っています。

続編〜東大卒元電通女性社員の自殺の原因は「電通」ではない

2016.10.20

(追記)
この記事をちょうど書き終わった頃、私事で申し訳ないが、祖母が亡くなった。
誰にでも死は来る。そしてその死はいつ来るかなんて誰にもわからない。そんなことを思い知らされた。

私たちは、いつ来るかわからない死に向かって、毎日を生きている。
その終わりが来るまでは、必死にもがき続け、毎日を大切にして生きていきたい。

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WRITERこの記事を書いた人

有吉 洋平

株式会社SENSATION代表取締役。 大学卒業後、欧州系戦略コンサルティングファームの株式会社ローランド・ベルガーに入社。戦略立案からオペレーション改善まで、幅広いコンサルティング業務に従事。2015年、「本to美女」や様々なWEBサービスを運営する株式会社SENSATIONを創業、代表取締役に就任。