CATEGORY 書評

大人のための純度が高い物語『ぶらんこ乗り』

このコーナーでは、『本to美女』編集部のライターがお勧めする本を紹介します。 最近はめっきり見なくなったが、私が幼かったころは学校が長い休みに入ると、決まってサーカスがやってきた。赤と白のテントの向こうには、見慣れない動…

細い伏線の糸が幾重にも折り重なる。マリオネットを操るその糸を手繰り寄せ、操者を暴くことができるか!?『マリオネットの罠

今週は、夏の夜の暑さをを忘れさせてくれる「ゾクっとするミステリ・ホラー本」をお送りします。  雨の夜、人家もまばらな国道沿いの林の中でトラック運転手が殺され、血まみれの若い女性が雨の林に消えた――。 殺人事件から1か月ほ…

複雑な社会においてどう生きる?自分の解を見つける?羅針盤を持たないまま船出しようとする君たちに送りたい本特輯

ーー人生、ちょっと背伸びしてみない?     世の中はどんどん複雑化していく。正解なんてない世の中だ、なんて言われる。   こんな社会で、「自分にとっての正解」を見つけるのは容易ではない 私にとっての夢って?、正義って?…

私たちって何なんだ。どこにいるんだ。思考を巡らす楽しさを味わってみない?『到来する共同体』

この本を勧めてもらったのは、五か月前、教育哲学を専攻する先輩から。その先輩もアガンベンについて記事を書いているので、ほんの触りの部分だけを、先輩をはじめとする哲学を本格的に研究されている皆さんに怒られないように紹介してい…

順応するか、抗うか。抉り出すように紡ぎだされた言葉『洗礼ダイアリー』

深夜まで続くアルバイトの帰り道、このエッセイを読むのが密かな楽しみだった。『洗礼ダイアリー』。かつてポプラ文庫のWeb astaで2週に1度新しい記事が更新されていた。  ところで、スマートフォンに慣れている人は長い文章…

数学が苦手でもわかる「人生を有利に進める方法」『複雑で単純な世界: 不確実なできごとを複雑系で予測する』

こんなことを思ったことがないだろうか。 「もしも株式市場の未来の動きを予測することができれば株を始めるのに。」「もしも街中の車がこれからどう動くのかを把握することができたら渋滞に捕まらないのに。」 ニールジョンソンが著し…

平塚らいてうが『青鞜』を通じて呼びかけた女性の自由

十八世紀、ロンドンの女性作家たちが「青い靴下」を履いていた。その時期は男女差別が根強く残っており、差別的な男性たちは彼女らのことを「ブルーストッキング」と呼んでいたそうだ。 ―それから2世紀経過した1911年。ブルースト…

大学生の皆さん。社会に出るのが怖いですよね。分かります。僕もです。『待っていても、はじまらない。』

大学在学中、ベンチャー企業でアルバイトをしていた時のこと。昼下がり、大きなプロジェクトのマネージャーを務めている先輩が私に「明日の朝までにユーザーへの聞き取り調査の資料をパワーポイントにまとめてくれ。」と膨大な議事録を押…